『別れは』



 私は目の前で眠る懐かしい神官の唇をそっと指でなぞった。
 美しい髪と白く透き通るような肌。 私よりもきれいだった彼の髪と肌。 少しだけ羨ましかった。 そんな彼の唇はやはり柔らかく、私の指先を捉えて離さない。
「この勝負は引き分けかしら」
 私は力なく座り込むと、彼の唇にキスをした。

 これはこの半年程、続く戦争の話。


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(恋する七題:恋死に)