強欲な人間が自ら掘り当てた地下の魔王の帝国の跡地。
踏み込んだとき、そこは静寂に包まれていた。湿気ったカビと土の匂い。
アリーナは大きく深呼吸すると、自分を落ち着けるように胸に手を当てて目を閉じた。
マーニャがその隣でミネアをお互いを見合う。
幸いなことに姉妹の空間転移魔法のおかげで魔物の軍を出し抜くことに成功した。
ここに来るまでに重ねた戦闘でも、それほどの脅威はなかった。
まさか人間が復活を阻止せんと動いていることなど考えてもいなかったためだろう。正に幸運だ。
そうなれば魔王はまだ完全に復活してない筈。万に一つの可能性が見えたことになる。
「皆さん、覚悟は出来ていますか?」
クリスが凛とした表情で目の前の巨大で頑丈な鉄の扉に手を突くように乗せた。
「この扉の向こうには、今まで嫌になるほどに話に聞いていた伝説の魔王がいます」
クリスは声が震えそうになるのを必死に押さえつけるように語気を荒げた。
「ここで魔王を倒せなかったら、この世界は魔族のものになってしまうでしょう…!
だから、あたし達は死んでもここでエスタークをやっつけないといけないんです!」
アリーナは瞑想するしていた、その目を開いた。
「…お父様が予知無に見た魔王」
重々しい空気が辺りを包む。…勝てるのか。勝てないかもしれない。
例え勝てたとしても、誰かがここで死ぬことになるのかもしれない。
ブライはアリーナの言葉に補足するように頷いた。
「予知の通り復活してしまったわけじゃが…」
胸に重く伸し掛かるように不安や恐怖が寄ってきて圧迫した。
「いや、そんなことはない」
ライアンが大きくかぶりを振って、二人がそれ以上言うのを制した。
「俺はこうも聞いている。…伝説の勇者は復活する魔王を倒すことができる、と!」
「ライアンさん…」
呆然と呟いたクリスにマーニャが底抜けに明るく笑いかけた。
「クリス!私も信じているわよ!」
「もちろんできるわよ!私も精一杯戦うから!」
アリーナもそれまでの暗い表情を忘れたかのように強気に鉄の爪を振ってみせた。
「…うん!行きましょう!」
クリスは仲間達がまるで祝福してくれているかのように微笑んでくれているのを見回して、
死地への扉を開け放った。
(必ず倒せる。…でなきゃ、シンシアや村の皆に笑われちゃう)
勝利を確信して、その扉の中へと進んだ。
静寂が辺りを包んでいた。聞こえる音といえば、仲間達の足音。身につける鎧盾の装備が立てる金属音。
あまりにも静か過ぎる。嫌でも緊張は高まる。
それでも歩みを進めると、微かに灯が見えた。
薄暗い闇の中、青白い炎の灯がぼんやりと何かを照らし出している。
柱のようなもの。
近づいていくと、正体がわかった。それは巨大な生物の足であった。
棘の着いた禍々しい玉座に佇むのは異形の魔王。
ようやく訪れた対面のときだ。魔王か我々か。どちらかが滅びる定めのとき。
クリフトは忌まわしいものと対面する恐怖に緊張を高めた。
それは醜い青色の皮膚を持ち、筋肉は歪んでいる。
まるで生物ではないようだ。生まれながらに兵器であったかのように、生き物としての機能を見つけ出すことができない。
この魔王がかつて、地上界の覇権を争う戦争で神に敗れたという魔族を統べた者。
その腕を揮えば森を薙ぎ、その咆哮は海をも震わせたという。
そしてなんと巨大な体だろうか。
「ライアンの4倍ってトコロじゃないかしら?」
アリーナは仲間の中で最も背丈のあるライアンを見ながら冗談めかして言った。
「じゃぁ、重さはトルネコの100倍くらい?」
マーニャの冗談にトルネコは苦笑しながらも、冷静に魔王を観察した。
「まだ寝ているようですね」
トルネコがまるで子供を寝かしつけた後のように声を潜めて、仲間達の同意を求めた。
ミネアが慎重に様子を見ながら頷く。
「…クリスさん。これはチャンスではないでしょうか…!」
クリフトがすぐに仲間を守る光の呪文を唱え始めたのを確認して、
クリスは無言でライアンとアリーナに配置に着くように腕で示した。
道中に打ち合わせたように二人は仲間達の最前に立ち身構え、
その背後でマーニャとブライ、ミネア、そしてクリスもそれぞれが持つ最大の攻撃魔法の詠唱を続ける。
「先手を打ちます!続いてください!」
クリスは腕で空を切った。電気の光がバチバチと輝く。
「ライデイン!」
解き放たれた雷がエスタークの胸部辺りに直撃した。
マーニャがクリスの前に躍り出る。
「ベギラゴン!」
放たれた閃光にクリフトは目を細めた。その光の中にブライとミネアのシルエットが浮かぶ。
「ヒャダイン!」「バギマ!」
圧倒的な熱量がブライの氷結の呪文に反発し、ミネアの起した旋風により渦を上げて爆炎を呼び込んだ。
地底の世界はぐらぐらと揺れ、天から崩れた岩の欠片が降り注ぐ。
黒煙が辺りを包み込んでしまい、エスタークの姿を確認することはできない。しかし、
「追撃開始です!」
クリスの号令にアリーナとライアンが駆けた。
「光の守護を!」
クリフトのスカラの白い光が二人を追いかけて包み込んだ。
光の防護壁を得た二人は臆することなく黒煙の中へと突入する。
すると中に見えたのは仲間達の一斉の攻撃にも関わらず、未だ眠り続ける魔王の姿だった。
「アリーナ姫!」
ライアンの声にアリーナは頷くようにタイミングを合わせて跳躍した。
「やぁああ!」
「ぬぉおお!」
ライアンの一閃が腹部を刺し貫き、アリーナの一撃が首元を切り裂く。
ぐらり、とエスタークが揺れた。
「?!」
着地したアリーナは目を見張った。
「アリーナさん、回避してください!」
エスタークは攻撃によってダメージを受けたのではない。
眠りを妨げる邪魔者を無意識の内に排除すべく、その腕を振り上げたのだ。
「危ない!」
ライアンが咄嗟に飛び出し、アリーナを突き飛ばす。彼女の頭の上をエスタークの剣が通り過ぎていった。
「支えが!!」
夢中で振り回されたエスタークの腕はこの地底の石の天を支える石柱をなぎ倒して、再び瓦礫の雨を降らせた。
「短期決戦よ!」
アリーナがライアンと再びタイミングを合わせて切りつける。
しかし、その堅い表皮になかなか深く切り込ませることができない。
クリスがその様子を見て、
「ブライさん。攻撃力倍加の呪文をお願いします!マーニャさんはエスタークに守備力低下の呪文を!
トルネコさんもアイテムでマーニャさんを助けてください!
ミネアさんとクリフトさんは力の続く限り補助と治癒の呪文を!」
仲間に指示を飛ばしながら自らも前衛に加わるべく走り出した。
「そういうときにはこいつですね」
トルネコが抱えていた大きな荷物の中から禍々しい髑髏の飾りの付いた剣を取り出した。
持つものを呪う怪しの剣。しかし、それは敵の守備の力を激減させる魔の力が込められている。
「道具は使い方次第なんですよ」
トルネコは横に並んだマーニャに笑いかけた。
「じゃぁ、今日は大サービス!あいつの堅いお肌、ふにゃふにゃの赤ちゃん肌にしてやりましょうか!」
エスタークの体がマーニャとトルネコが投げつけた魔法の光にぼんやりと包まれた。
「姫様、バイキルトですわ!」
アリーナ、ライアン、クリスと順番にブライの魔法の光に包まれる。
「ありがとう、ブライ!」
光に包まれた鉄の爪を持って、再び攻撃を仕掛ける。その一撃はあっさりとエスタークの体を切り裂いて、紫色の飛沫を上げた。
「今度こそいけるわ!」
アリーナがその手応えに満足そうにそう声を上げた。
同時にかすり傷を負っていたライアンの怪我がミネアの治癒の光に包まれた。
クリフトが守護の光を更に輝かせるべく、スカラの呪文を叫んだ。
「信じられないくらいに優勢ですね!」
クリスがアリーナとライアンに続けてエスタークを切りつけながら、安心したようにそう言った。
「なんか卑怯な気もするけどね」
遠くでマーニャがおどけてそう言っている声も安堵の色に染まっている。
勝てる。
クリスは確信していた。
「!」
アリーナは誰よりも先に気が付いた。
(今、足が…動いた!)
胸を襲う不安に駆け出す。
「クリス、エスタークが目を覚ましたわ!」
エスタークの目が開かれた。闇に金色に光る瞳孔。
油断しているクリスはエスタークが明確な攻撃の意思を持って剣を持ち上げたことに気が付くのが遅れた。
「そんな……!?」
クリスは愕然と目を見開いて立ち竦んだ。
「クリス!」
アリーナがクリスの飛びつくようにして突き飛ばす。
そして、目の前に迫るエスタークの身の丈以上もある巨大な剣を回避すべく身を躍らせた。
身を庇った腕に力がかかる。高い金属音がした。
アリーナは呆然と自分の腕を眺めた。
腕にはめられた鉄の三本の爪の内二本が折れ跳んでしまっている。
「しまった…!」
これでは攻撃力が半減してしまう。
クリスが体制を立て直して叫んだ。
「アリーナさん、場所を変わってください!」
その言葉に反射的に背後に向かって跳躍する。入れ替わるようにライアンとクリスが駆けた。
「うぉおおおおおおお!」
ライアンの会心の一撃が今一度その腹を横一文字に薙ぎ、続けてクリスがその傷口に剣を付きたてた。
「直接、ぶち込んでやります!」
クリスはその剣に魔法力を集中させた。
「ライデイン!!」
エスタークの体がスパークする。その体を焦がして、ついに背後へ向かって力なく倒れた。
ずしり、と地鳴りのような音を上げて大地に沈み込んだ魔王の命運はここで尽きたようだった。
「…やった…」
気配のなくなった魔王の存在に、思わず膝が笑って座り込む。
「やったぁ!やったわね!クリス!」
「……うん。…勝ちました…!あたし達が勝ったんです!」
クリスがアリーナの肩を借りるようにして、やっとのことで立ち上がると仲間達と合流するべく歩みを進めた。
「とりあえず、地上に出たら美味しいものでも食べましょうよ」
アリーナの言葉にクリスは感極まったように、何度も頷いた。
クリフトはそんなアリーナやクリス、ライアンに回復の呪文をかけようと思った。しかし、
(………こ、この気配…!)
闇と魔の気配。
まだ、仲間達の誰もが気付いていない。
(デスピサロ…!)
間違いない。クリフトは周囲を見回して姿を探す。
そして見た。
玉座の向こうに煌く銀色の髪と紅い瞳。
「長きの間、我々の悲願だったエスターク様の御復活が、まさかひ弱な人間に討ち取られてしまうとはな…。マスタードラゴンめ」
クリスがアリーナが、ライアンがマーニャがトルネコがミネアがブライが。
魔界の皇子の出現に体を凍らせた。
「伝説の勇者は確かに殺したと思っていたが。…ツメが甘かったようだな」
デスピサロは一歩、また一歩とゆっくりと迫る。
距離が縮むほどに強くなる威圧感にクリスはアリーナから離れた。
剣はエスタークに突き立てたまま…確実に不利だ。冷たいものが背を流れる。
「ここで確実に片付けておくか」
デスピサロは舌打すると、剣を引き抜いた。
緊迫した空気が辺りを支配する。
「待ってください!」
「……なんだ?」
クリフトがデスピサロに剣を納めて無防備に歩み寄った。
「クリフト!どうする気なの!?」
マーニャが慌てたように叫んだ。
それには答えずに、デスピサロに対峙する。
「……今回。…いえ、人間と魔物の戦い。引いてはいただけませんか?」
思いもよらなかった言葉にデスピサロは侮られたかのように眉をしかめた。
「…思い上がるな、人間。我々は人間など相手にしていない」
「……」
「これはお前達が想像もできないような永い時を戦う、神との戦争なのだ。
貴様達は神の尖兵として我々と敵対する。だから滅ぼす。それだけのことだ」
無表情のままに、クリフトを見下げる。
「人間の神官よ。貴様は自分達が正義と思って戦っているのだろう。愚かなことだ。
神との戦いに勝利し、我々魔族の世界になれば、次に“神”と呼ばれるのは我々だ。
…天空人も人間もいない争う必要性のない世界になる。正義も悪も何の意味も成さないのだ。
次に世界を支配した者が正義であり、神なのだ」
クリフトは首を横に振った。その価値観がいかに空しく意味の無いものであったか。
彼はガーデンブルグで。ロザリーヒルで苦しいほどに痛感していた。
「それは十分承知しています」
「ならば、何だと?」
クリフトはロザリーヒルで拾った小さくも輝く赤い奇石を見せた。
「それは…」
「ロザリーさんが貴方を思って流した涙です」
「ロザリー、…だと!?」
冷酷なまでの無表情であったデスピサロが微かに動揺の色を浮かべた。
「そうです。…私達は彼女に“貴方を止めてくれ”と頼まれました。それが例え、貴方を殺すことになっても構わないのだ、と」
「……」
「“もう、貴方に罪を重ねて欲しくないのだ”と」
……。
デスピサロもクリフトもしばらく押し黙った。
クリスが困惑した表情を浮かべている、その肩をアリーナが叩いた。
(クリフトなら大丈夫)
そう、アリーナの表情は言っている。
クリスは強張った面持で二人へと再び視線を移した。
「…ロザリーさんは本当に純粋で美しい心を持っていました。
…おそらく、私のような人間よりも余程、汚れなく優しい。
…どうか、そんな彼女のためにも。彼女をこれ以上悲しませないでください」
「わかったようなことを言う。口で言うほどに貴様は理解していない。
ロザリーはずっと人間に虐げられてきた。
人間は汚く醜い。…我々魔族よりもな。貴様らがいる限り、永遠にロザリーが心から平穏を取り戻す日など来ない」
「……」
クリフトは慎重に言葉を選んだ。
「確かに人間とは汚いものでした。…わがままで自分勝手で、傲慢で。
己の野心のために他人を踏みにじることもあります」
フレノールで卑劣な盗人に出会ったように。ガーデンブルグで善意の欠片もない盗人と出会ったように。
数え切れない悪意の数々。…それでも確信があった。
「……ならば、人間の存在する価値とは何だ?」
「人間には良心があります。どんなに罪を重ねても、それを悔い改めることができます。
…人を愛することができるのです。今、私が貴方にいつ刺し殺されても分からないというのに無防備に立っているように。
私は貴方とロザリーさんを愛することができるのです」
「…その点に関しては貴様は最も愚かだ。それは納得しよう」
「…人間は愚かなものなのです。なんと自虐的なものでしょう」
クリフトは薄く笑った。冷や汗が首筋を伝う。
「私は言葉通りに、これ以上、家族や恋人が殺されて誰かが悲しむようなことがあって欲しくはないのです。
…もちろん、貴方やロザリーさんにも」
そして、脳裏に浮かんだのは何故かアリーナの姿。
「……」
デスピサロはクリフトの熱弁に剣を納め、腕を組んだ。
「…やはり、たかが20年ほどしか生きていない人間は面白いことを言うな。
私を相手にして尚、そのように世間知らずな理想論を演じてみせる」
「…申し上げたでしょう?…人間とは愚かなのです」
クリフトはルビーの涙をぎゅっと握った。恐ろしさのあまり震えの止まらないのを隠すように、強く。
「こんな悲しい戦いはもう止めにしたいのです」
ピサロは鼻で笑った。
「…確かに人間の全てが貴様のようであったのなら興味深いがな」
漆黒のマントを翻して背を向ける。
「興冷めだ。…今回だけははロザリーと反吐が出そうな程に甘い考えの神官に免じて、見逃してやろう」
「……」
クリフトはその言葉に確かな反応に、緊張が解けて頬が緩むのを感じた。
「…サロ様!…デスピサロ様!」
暗い地下の帝国内に反響する声らしき音。
遠くから使い魔の声が聞こえた。ひどく慌てた様子だ。
足を縺れさせながらも必死で駆けてきて、デスピサロの姿を見つけると精一杯に叫び声を上げた。
「ロザリー様が…人間に襲われました!!」
そんな。
今度はクリフトが動揺する番だった。
デスピサロが鋭い眼光でクリフトを再び見据えた。
「…やはり、人間とは分かり合えないことは間違いではなかったな…」
「……っ」
もはや言葉も出すことが出来なかった。
(なんて馬鹿なことを…!)
そう思うことで精一杯だった。
「次に会うときは必ず貴様達を殺す。それまで精々必死に生き延びるがいい」
デスピサロはそう吐き捨てると現われたときと同じように闇の中へと掻き消えた。
(……人間はなんて馬鹿なことを…!)
人間が金を目当てに炭鉱を掘り進め、古代の魔王の封印を暴いたように。
そして、今、人間は自らの手で滅びの扉を開け放とうとしている。
手の中にあった涙の宝玉を強く握り締めるとその手を額に当てた。力が抜けて大地に膝をつく。
(どうか、ロザリーさんが無事でありますように)
使い魔の狼狽を思い返せば、それは如何に絶望的な願いであるかはわかっている。
それでも、そう願わずにはいられなかった。
魔族の皇子とその恋人の平穏は誰に祈ればいいのだろうか。
クリフトは苦悩の蒼顔で唇を噛んだ。
その肩をアリーナが叩いた。
「クリフト…。とりあえず、ここを脱出しましょう」
振り向いて見上げれば、同じように険しい顔で肩を落とす仲間達。
「ここに残っても仕方があるまい。…今は戻って休むんじゃ」
クリフトは拳を強く握り締めた。加減することなく握られた掌に爪が食い込んで血が滲む。
「…分かりました」
マーニャが露骨に怒りの表情を見せて、ミネアに鎮められている。
彼女もぶつける先のない憤りに当てられているのだろう。
マーニャに変わってブライが代表してリレミトの呪文を唱えた。
「……っ」
クリフトは自分が泣いているのに気が付いた。
死を覚悟して魔王との戦いに向かい、誰も欠けることもなく地上に戻ることができるというのに、
何故こんなにも悲しいのだろう。
(そうか)
ようやく気が付いた。
(羨ましかったんだ)
ただ二人が羨ましかった。
愛し合う二人が。
そして、その愛ゆえに恋人を死を願うことができる程に全てを貫き通すその深い思いが。
何者との対立をも恐れずに貫き通す決心が。自分は恐ろしくて手を伸ばせない物にも何も躊躇しない。
(ただ、憧れていたんだ。…彼らのようになれたら、と思っていたんだ)
もう。この赤い涙の持ち主はいない。
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